ネット碁の「大逆転」

 ネット碁を打っていると、しばしば「大逆転」を体験する。どうみても一方的に負けている碁でも、辛抱づよく打っていると、勝ってしまったり、逆のケースもある。  一番多いのが「うっかり」。読み違いならいいが、マウスで石を置くとき、一路ずれてしまったり、クリックのミスで全く意図しないところ石を置いてしまったりする。しかも、人間相手なら「あ、ごめん」で置き直せる(いわゆるハガシという意味ではなく)のだが、相手が機械ゆえ、打ってしまったらどんな悪手・ミスでも直せない。  夜、ビールを飲みながら打ったりしていると、こういうことがしばしば発生する。ネットの向こうの相手にも起きるようで、「あっ〜」という悲鳴が聞こえるようなときもある。  先日、終盤まで数目差で負けていた碁でのこと。半コウ(ほとんど意味なし)の取り合いで、僕が打ったコウ材に相手が受けなかったのだが、それがスミの石の中手となって逆転勝ちしてしまった。単なる勘違いだったと想うが、投了するときの一呼吸置いた間から相手の悔しさが伝わってきて、申し訳ないような気がした。  ともあれ、そんな「大逆転」もネット碁の醍醐味だろう。今夜も「あ〜」「うえ〜」などと言いながら、グラス片手にPCの碁盤に向かうとしよう。 (yasu)